人生の主役なのに、なぜ脇役を演じているの?
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メンタル症状・不安/抑うつ
〜誰かの期待に応える人生から、自分の気持ちを大切にする人生へ〜
あなたの人生の主役は、誰ですか?
そんなことを聞かれたら、きっと多くの人が「自分です」と答えるでしょう。
でも、毎日の生活を少し振り返ってみてください。
職場では、上司の期待に応えようと頑張る。
同僚には、嫌われないように気を使う。
家族には、心配をかけないように笑顔を見せる。
本当は違う意見があっても、「そうですね」と合わせてしまう。
気づけば、自分の気持ちはいつも後回し。
まるで、誰かの人生という舞台で、脇役を演じているようです。
あなたの人生なのに、あなたの気持ちは、どこに置いてきてしまったのでしょうか。
今日は、そんなお話です。
「自分がどうしたいのか、わからないんです」
30代の女性、Hさん。
Hさんは、職場では周囲への気配りができる、まじめで優しい女性であることが察します。
上司から仕事を頼まれれば、忙しくても笑顔で引き受けます。
同僚から相談されれば、自分の仕事を止めてでも話を聞きます。
「Hさんなら、お願いできるよね」
そう言われると、断ることができません。
本当は疲れている。
本当は自分の仕事を優先したい。
それでも、
「私が我慢すれば、丸く収まるから」
そう考えてしまうのです。
カウンセリングではHさんはこんな気持ちを話してくれました。
「人に合わせることはできるんです。でも、自分がどうしたいのか聞かれると、わからなくなるんです」
その言葉には、長い間、自分の気持ちを後回しにしてきた苦しさが感じられました。
■ なぜ、自分の人生なのに脇役になってしまうの?
心理学には「他者評価」という考え方があります。
私たちは誰でも、人から認められたい、嫌われたくないという気持ちを持っています。
それ自体は自然なことです。
でも、その気持ちが強くなりすぎると、自分の判断よりも相手の反応を優先するようになります。
「これを言ったら、どう思われるかな」
「断ったら、嫌われるかもしれない」
「期待に応えなければ、価値がないのでは」
こうした考えが積み重なると、いつの間にか自分の人生の判断基準が、他人の評価になってしまうことがあります。
Hさんも、決して自分の意見がないわけではありません。
ただ、自分の気持ちよりも、周囲の気持ちを優先することが習慣になっていたのです。
人に優しくすることと、自分を後回しにすることは、同じではありません。
ここに気づくことが、とても大切なのです。
■ 脳は「嫌われたくない」という気持ちにも反応する
少しだけ、脳のお話をしましょう。
私たちの脳には、危険や不安に関わる「扁桃体(へんとうたい)」という部分があります。
扁桃体は、身体的な危険だけでなく、社会的な不安を感じる場面にも関わっています。
例えば、上司から不機嫌そうな顔をされたとき。
「何か悪いことをしたかな」
「嫌われたのかな」
そんな不安が生まれることがあります。
一方、「前頭前野(ぜんとうぜんや)」は、物事を考えたり、感情を調整したり、判断したりする働きに関わっています。
強いストレスを感じているときには、落ち着いて考えることが難しくなる場合があります。
そのため、相手の反応が気になる場面では、自分の希望を考えるより先に、いつものように相手に合わせてしまうこともあるのです。
さらに、記憶に関わる「海馬(かいば)」の働きも、過去の経験と今の反応を結びつけることに関係しています。
以前、自分の意見を言って否定された経験があれば、似た場面で慎重になることもあるでしょう。
つまり、Hさんが周囲に合わせてしまう背景には、性格だけではなく、これまでの経験や心の習慣も関係している可能性があります。
■ 声紋分析から、自分の判断のクセを見つめる
U-LaLaでは、心理学や脳科学の視点に加え、声紋分析を自己理解のきっかけとして取り入れています。
声の特徴を手がかりに、自分が普段どのように物事を判断し、行動しているのかを振り返っていきます。
例えばHさんのように、人の期待に応えようとする方には、こんな問いかけをしてみます。
「何かを決めるとき、自分の気持ちと相手の気持ち、どちらを先に考えていますか?」
「本当は嫌だと思っても、つい引き受けてしまうことはありませんか?」
「自分の希望を伝えることに、申し訳なさを感じませんか?」
こうした問いを通して、普段は意識していなかった自分の行動パターンに気づくことがあります。
ただし、声紋分析だけで性格や本心、脳の状態を科学的に判断できるわけではありません。
大切なのは、分析結果を決めつけとして受け取ることではなく、自分自身を理解するための対話につなげることです。
「自分はどうしたいのか」
その問いに、少しずつ耳を傾けていくのです。
「私、自分の人生なのに遠慮していたんですね」
「もし、誰にも嫌われる心配がなかったら、Hさんはどうしたいですか?」
そう尋ねられたHさんは、少し考え込みます。
そして、
「本当は、もっと自分の意見を言いたいです」と答えました。
さらに、こんな言葉が続きました。
「私、自分の人生なのに、ずっと遠慮していたんですね」
その気づきは、決して大きな出来事ではありません。
でも、自分の本当の気持ちを言葉にできたことは、大切な一歩です。
誰かに合わせることが悪いのではありません。
自分で選んで合わせるのか、それとも嫌われるのが怖くて合わせるのか。
その違いに気づくことで、これからの選択が少しずつ変わっていくかもしれません。
今日からできる「人生の主役」に戻る練習
いきなり自分の意見をはっきり伝える必要はありません。
まずは、小さなことから始めてみましょう。
① 「私はどうしたい?」と自分に聞いてみる
昼食のメニューでも、休日の過ごし方でも構いません。
誰かの希望を聞く前に、自分の気持ちを確かめてみましょう。
② すぐに返事をしない
仕事を頼まれたとき、反射的に「大丈夫です」と答える前に、一度考えてみてください。
「少し確認してからお返事します」
それだけでも、自分で選ぶ時間が生まれます。
③ 自分の気持ちを否定しない
「本当は嫌だった」
「少し疲れている」
そんな気持ちが浮かんだら、まずはそのまま認めてみましょう。
感情を言葉にすることは、気持ちを整理する助けになります。
大切なのは、いつも自分を優先することではありません。
自分の気持ちも、相手の気持ちと同じように大切にすることです。
あなたの人生の台本は、誰が書いていますか?
人生を一つの舞台に例えてみましょう。
そこには、家族や友人、上司、同僚など、たくさんの登場人物がいます。
誰もがあなたの人生に関わる大切な存在です。
でも、その人たちの期待に応えることだけが、あなたの役割ではありません。
あなたが笑いたいときに笑う。
疲れたときには休む。
嫌なことには、嫌だと感じてもいい。
そして、自分が大切にしたいものを、自分で選んでいく。
それは、わがままではありません。
自分の人生を生きるということです。
これまで脇役のように周囲を支えてきたあなたも、十分に頑張ってきました。
だからこそ、これからは少しずつ、自分自身にも目を向けてみませんか。
あなたの人生の主役は、最初からあなたです。
誰かに主役の座を譲る必要はありません。
今日から、ほんの少しだけ。
自分の気持ちを大切にする場面を増やしてみてください。
あなたの人生という物語は、まだまだ続いていくのですから。
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