何を言っても否定される夫婦になっていませんか?
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夫婦・恋愛のトラブル
何を言っても、まず否定される。
そんな夫婦の会話になっていませんか。
仕事で嫌なことがあったと話せば、でもあなたにも原因があるんじゃない、と言われる。
疲れたと言えば、みんな疲れているよ、と返される。
家のことを相談すれば、そんなに難しく考えなくてもいいんじゃない、と言われる。
一つひとつは、何気ない言葉かもしれません。
けれど、それが何度も続くと、どうせ話しても否定される、と思うようになることがあります。
そして、いつの間にか話すこと自体をあきらめてしまう。
本当は仲良くしたい。
ただ、気持ちをわかってほしい。
それなのに、なぜか話すほど苦しくなる。
今回は、そんな夫婦のすれ違いについて、心理学、脳科学、そして声紋分析の視点から考えてみます。
相談者事例
今回ご紹介するのは、40代の会社員女性、Kさんです。
Kさんは夫と結婚して15年以上になります。
仕事をしながら家事もこなし、毎日忙しく過ごしていました。
最近、Kさんには気になることがありました。
夫に何かを話すたびに、否定されているように感じるのです。
ある日、Kさんが仕事から帰って、職場で嫌なことがあったと夫に話しました。
すると夫から、でも相手にも事情があったんじゃない、と返ってきました。
別の日には、疲れた、と言ったKさんに、夫は、みんな疲れているよ、と答えました。
夫に悪気がないことは、Kさんにもわかっていました。
それでも、話すたびに、自分の感じ方を否定されているような気持ちになりました。
Kさんが夫に求めていたのは、問題を解決してもらうことではありませんでした。
大変だったね。
それは嫌だったね。
まず、そんなふうに気持ちを受け止めてほしかったのです。
一方、夫はKさんが困っているなら、何とかしてあげたいと思っていました。
それなら、こう考えたほうがいい。
そんなに気にしなくても大丈夫。
夫にとっては、妻を助けようとした言葉だったのかもしれません。
ところがKさんには、あなたの感じ方は間違っている、と言われているように聞こえていました。
そのうちKさんは、夫に話す前から、どうせまた否定される、と身構えるようになりました。
夫から、最近あまり話してくれないね、と言われても、Kさんの心には、話したってわかってくれない、という気持ちがありました。
妻は、気持ちをわかってほしい。
夫は、妻を助けたい。
二人とも相手を大切にしたいはずなのに、その思いがうまくかみ合っていなかったのです。
心理学から見る、否定されたと感じる理由
夫婦の会話では、話している内容だけでなく、自分の気持ちを受け止めてもらえたと感じられることも大切です。
たとえば、今日は仕事で本当に嫌なことがあった、と話したとします。
このとき、話した人が求めているものが共感なら、欲しいのは正しい答えとは限りません。
大変だったね。
嫌だったね。
今日は疲れたね。
まずは、そんな言葉を求めていることがあります。
ところが聞く側は、相手を助けようとして解決策を考えます。
こうすればよかったんじゃない。
考えすぎじゃない。
相手にも事情があったんじゃない。
言っている本人には、否定しているつもりがないこともあります。
むしろ、助けようとしている場合もあります。
それでも、気持ちを聞いてほしい側には、私の気持ちは間違っているの、と感じられることがあります。
ここですれ違いが起こります。
一方は、気持ちを受け止めてほしい。
もう一方は、問題を解決してあげたい。
どちらが正しくて、どちらが間違っているという話ではありません。
求めているものと、返しているものが違っているのです。
この違いに気づかないまま会話を続けると、また否定された、せっかく考えているのに、とお互いが傷ついてしまうことがあります。
脳科学から見る、なぜ会話の前から身構えてしまうの?
Kさんは、そのうち夫が話し始めただけで、また否定されるかもしれない、と感じるようになりました。
こうした心の反応を考えるときに知っておきたいのが、扁桃体です。
扁桃体は、不安や危険などにすばやく反応することに関わる脳の部分です。
強い不安や怒りを感じているときには、体も身構えやすくなります。
一方、前頭前野は、状況を考えたり、感情を調整したり、言葉を選んだりするときに大切な働きをしています。
強い感情があるときには、落ち着いて相手の言葉を受け取ったり、自分の言葉を選んだりすることが難しくなる場合があります。
さらに、海馬は記憶に深く関わっています。
目の前で起きていることが、過去の嫌だった経験を思い出すきっかけになることもあります。
すると、夫が今言った一言だけではなく、前にも同じことを言われた、あのときもわかってもらえなかった、という記憶まで一緒に浮かんでくること
があります。
また始まった。
どうせ今回も同じ。
そう感じれば、まだ会話が始まったばかりでも、心はすでに身を守る準備をしているかもしれません。
だからこそ、夫婦の会話を変えたいときは、正しい言葉を探すだけでなく、まず落ち着いて話せる状態をつくることも大切なのです。
声紋分析から見えてくる、判断感覚の違い
U-LaLaの声紋分析では、約6秒の声をもとに、その人の判断感覚や行動軸を見ていきます。
ここで大切なのは、どの感覚が良くて、どの感覚が悪いというものではないことです。
人によって、情報を受け取りやすい方法や、判断するときに使いやすい感覚には違いがあります。
判断感覚には、大きく体感覚、聴感覚、視感覚があります。
体感覚は、レッド〜ゴールドで、行動や実感などを大切にする傾向として見ていきます。
聴感覚は、イエロー〜ターコイズで、対話、協調、共感などを大切にする傾向として見ていきます。
視感覚は、ブルー〜マゼンタで、客観視、直観、ビジュアルなどを大切にする傾向として見ていきます。
たとえば、聴感覚を使いやすい人は、言葉を交わしたり、気持ちを聞いてもらったりすることを大切にする場合があります。
一方、視感覚を使いやすい人は、少し離れたところから状況を見て、どうすれば解決できるのかを整理しようとする場合があります。
すると、一方は、まず私の気持ちを聞いてほしい。
もう一方は、困っているなら解決してあげたい。
そんな違いが出ることがあります。
さらにU-LaLaでは、行動基準をV4の波形から見ていきます。
自分軸はイエローで、自分のために行動する傾向です。
相手軸はターコイズで、目の前の相手のために行動する傾向です。
社会軸はマゼンタで、みんなや社会のために行動する傾向です。
たとえば相手軸が表れている人なら、目の前の相手のために何とかしてあげたいという思いが行動につながることがあります。
そのため、良かれと思ってアドバイスすることもあるでしょう。
しかし、相手がそのとき共感を求めていたら、そのアドバイスが否定されたという感覚につながる場合があります。
声紋分析は、あなたはこういう人だと決めつけるものではありません。
夫婦の相性を良い、悪いと決めるものでもありません。
自分と相手では、判断するときに使いやすい感覚や、行動につながる基準が違うかもしれない。
その違いに気づくための一つの材料です。
相手がおかしい。
私がおかしい。
そんな二択ではなく、二人の受け取り方が違っていたのかもしれない、と考えられるようになると、会話を見る角度も少し変わってきます。
夫婦の会話に疲れていませんか?セルフチェック
次の項目で、最近の自分に当てはまるものがないか確認してみてください。
□ 夫と話す前から身構えてしまう。
□ どうせ否定されると思うことが増えた。
□ 夫の話を最後まで聞くことが難しい。
□ すぐに、でも、だって、と言いたくなる。
□ 家にいても気持ちが休まらない。
□ 夫の何気ない一言を何時間も考えてしまう。
□ 昔の言い争いまで思い出して腹が立つ。
□ 話すより黙っていたほうが楽だと思う。
□ 夫に相談することが減った。
□ 最近、夫婦で笑う時間が減った気がする。
当てはまる項目があるからといって、夫婦関係に問題があると決まるわけではありません。
ただ、夫婦の会話で心が疲れていることに気づく一つの目安にはなります。
相手との関係を何とかする前に、まず自分の心と体を休ませることから始めても大丈夫です。
今日からできる3つのセルフケア
1.U-LaLa446呼吸法
やり方
①楽な姿勢になります。
②鼻から4秒かけて息を吸います。
③4秒止めます。
④口から6秒かけてゆっくり吐きます。
⑤このリズムを5分程度繰り返します。
効果
夫の言葉にカッとなって、すぐ言い返したくなったときに、いったん自分を落ち着かせる時間をつくれます。
ゆっくりした呼吸は、緊張した心と体を落ち着ける助けになります。
備考(エビデンス)
片岡ら、腹式呼吸と自然呼吸の相違による自律神経系への影響、2005年、日本保健医療行動科学会誌では、腹式呼吸と自律神経系への影響が検討されています。
U-LaLa446呼吸法そのものを検証した研究ではなく、ゆっくりした呼吸を取り入れる際の参考となる研究です。
2.感情ラベリング
やり方
①夫の言葉に反応したら、今の気持ちは何、と自分に聞きます。
②悲しい、腹が立つ、寂しい、不安など、一つか二つの言葉にします。
③その気持ちの強さを0〜100%で書きます。
④最後に、本当はどうしてほしかったのかを一言だけ書きます。
効果。
怒っていると思っていたけれど、本当はわかってもらえなくて寂しかった、というように、自分の気持ちを整理しやすくなります。
相手に感情をぶつける前に、自分の本当の気持ちに気づくきっかけにもなります。
備考(エビデンス)。
認知行動療法では、出来事、考え、感情などを整理して記録する方法が用いられています。
厚生労働科学研究による認知行動療法に関する資料などでも、考えや感情を整理していく方法が扱われています。
3.やさしい境界線ワーク
やり方
①夫との会話で、本当は嫌だったことを一つ書きます。
②そのとき、自分はどうしてほしかったのかを書きます。
③相手を責める言葉ではなく、自分の希望として伝える文章を考えます。
④短い言葉で実際に伝えてみます。
たとえば、今日はアドバイスより、まず話を聞いてもらえるとうれしい、と伝えます。
効果
我慢を続けて最後に怒りを爆発させる前に、自分の希望を整理する練習になります。
相手を変えようとするのではなく、自分が何を望んでいるのかを伝える準備にもなります。
備考(エビデンス)
アサーション・トレーニングに関する国内研究や実践では、自分も相手も尊重しながら意思を伝える方法が扱われています。
アサーションとは、我慢することでも、相手を言い負かすことでもありません。
自分の気持ちや希望を、相手も尊重しながら伝える考え方です。
クライエントさんの声
私は、夫に何を言っても否定されると思っていました。
仕事で嫌なことがあって話しても、相手にも事情があったんじゃない、と言われる。
疲れたと言えば、みんな疲れているよ、と言われる。
最初は、違う、そういうことじゃない、と説明していました。
でも、だんだん説明することにも疲れてしまいました。
夫に悪気がないことは頭ではわかっていました。
それなのに夫が何か言うたびに、また否定された、と感じてしまい、話す前からイライラすることも増えていました。
カウンセリングで話していくうちに、私は夫に正しい答えを出してほしかったのではなく、まず気持ちをわかってほしかったんだと整理できました。
カウンセラーさんから、夫を嫌いになったというより、会話の中で何度もわかってもらえなかったと感じて、話す前から身構えるようになっているの
かもしれませんね、と言われました。
その言葉を聞いたとき、だから私はこんなに疲れていたんだ、と少し納得できました。
声紋分析では、自分が普段どんな感覚を使って判断しやすいのかを見ながら説明してもらいました。
夫婦でも、同じ出来事を同じように感じるわけではないと知ったことは、私には大きかったです。
それから夫の言葉にイライラしたときは、すぐ言い返すのではなく、U-LaLa446呼吸法をしてから話すようにしました。
また、自分が今どう感じているのかを書いてみました。
すると、怒っていると思っていた気持ちの奥に、寂しい、わかってほしい、という気持ちがあることにも気づきました。
最近は夫に、今日は答えが欲しいんじゃなくて、ちょっと聞いてほしい、と言えることがあります。
すると夫も、聞くだけでいいの、と確認してくれるようになりました。
今でも意見が合わないことはあります。
でも、意見が違うことと、私自身を否定していることは同じではないのかもしれない、と思えるようになりました。
これからは、全部わかってもらおうとするのではなく、私はこう感じているよ、と少しずつ伝えられる夫婦になりたいと思っています。
カウンセラー視点
夫婦の相談では、どちらが正しいのでしょうか、と聞かれることがあります。
けれど実際には、正しい、間違っているだけでは整理できないことがたくさんあります。
相手のために言った言葉が、相手には否定として届いてしまう。
わかってほしくて伝えた言葉が、相手には責められているように届いてしまう。
そんなすれ違いがあります。
だから、相手を変えることだけを目標にしなくてもいいのです。
まず、自分は何を感じていたのか。
何をわかってほしかったのか。
どんな言葉なら、自分にも相手にも負担が少ないのか。
そこを一緒に整理していきます。
声紋分析も、夫婦を分類したり、相性を決めたりするためのものではありません。
自分では当たり前だと思っていた判断感覚や行動軸を見つめる一つの材料です。
違いが見えてくると、夫がおかしい、私がおかしい、という二択から少し離れることができます。
もしかしたら、二人は違う方法で相手を大切にしようとしていたのかもしれない。
そう考えられるようになるだけでも、夫婦の会話に少し余白が生まれることがあります。
まとめ
何を言っても否定される。
そう感じる会話が毎日のように続けば、話すことに疲れてしまうことがあります。
けれど、否定されているように感じる言葉のすべてが、あなた自身を否定するための言葉とは限りません。
気持ちを聞いてほしい。
問題を解決してあげたい。
わかってほしい。
助けてあげたい。
どちらも相手を大切に思う気持ちなのに、その方向が少し違うだけで、言葉が違う意味で届いてしまうことがあります。
夫婦だから、言わなくてもわかるはず。
長く一緒にいるから、わかっているはず。
そう思う関係だからこそ、あえて言葉にすることが必要なときがあります。
今日はアドバイスより、話を聞いてほしい。
あなたを責めたいのではなく、私はこう感じている。
そんな短い一言からでも大丈夫です。
二人だけで話すと、いつも同じ言い争いになってしまう。
何から話せばいいのかわからない。
そんなときには、第三者と一緒に整理する方法もあります。
どちらが悪いかを決めるためではありません。
二人の間で何が起きているのかを、少し違う場所から見つめ直すためです。
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夫婦の会話がかみ合わない。
何を言っても否定されているように感じる。
自分が本当は何をわかってほしいのかわからなくなっている。
そんな思いも、一人で答えを出そうとせず、一緒に整理してみませんか。
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