「弱音を見せたら負けだと思ってた」──35歳男性が見つけた“心の守り方”
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自己肯定感・生き方の迷い
初めての方
「男なんだから、強くなきゃいけない」「弱音を吐いたらダメだ」
そんなふうに自分に言い聞かせてきたけれど、ふとした瞬間、胸の奥がぎゅっと締めつけられるようなことはありませんか?
実は、“言えない”ではなく、“言ってはいけない”と思い込んでいるだけかもしれません。
今回は「弱音を言えない男性心理」について、35歳のHさんのエピソードをもとに、心と脳のメカニズム、そして声紋分析の視点からやさしくひも解いていきます。
◾️相談者事例
Hさん(35歳/事務職)は、周囲から「頼れる人」と言われる存在でした。
仕事もきっちりこなすし、後輩からの信頼も厚い。
けれど、ある日ふとしたきっかけで涙が止まらなくなり、会社を早退。
「こんなことで泣くなんて…情けないですよね」と、初回のカウンセリングでうつむきながら話してくれました。
実はHさん、自分の気持ちを誰かに話すことがほとんどなかったそうです。
「人に頼るのが怖い」「弱さを見せたら、見下される気がして…」
誰にも相談できず、自分の中だけで抱え込み続けていた心が、とうとう限界を迎えてしまったのです。
◾️心理学の視点から
Hさんのように、「誰にも頼れない」と感じている方は、“自己効力感”が下がっている状態かもしれません。
自己効力感とは、「自分にはできる」という感覚のこと。
誰かに助けを求めることも、“自分で自分を守る力”のひとつですが、自己否定が強いとそれすらも「自分にはできない」と思い込んでしまいます。
また、「頑張っても報われない」「助けてもらえなかった」経験があると、脳が“学習性無力感”というモードに入り、「もう頑張ってもムダだ」と感じやすくなります。
これは意志の弱さではなく、心の防衛反応なのです。
◾️脳科学の視点から
Hさんが感じていた「人に頼れない」「弱音を吐けない」という気持ちの背景には、脳の働きも関係しています。
とくに関係するのが“扁桃体(へんとうたい)”と“前頭前野(ぜんとうぜんや)”。
扁桃体は不安や恐怖を感じるセンサーのような役割を持っています。
「弱さを見せたら責められるかも」という記憶があると、扁桃体が過敏に反応してしまいます。
一方、前頭前野は「本当にそうだろうか?」と状況を冷静に考える働きをしますが、ストレスが続くと、この前頭前野の働きが低下してしまうのです。
その結果、「頼る=危険」という思い込みが強化され、弱音がますます言えなくなるという悪循環に。
◾️声紋分析からみるHさんの傾向
Hさんの声からは、【判断基準:聴感覚(イエロー〜ターコイズ)】が強く出ていました。
つまり、周囲の空気や相手の感情にとても敏感なタイプ。
また、【行動基準:相手軸(ターコイズ)】が優位で、「自分のため」より「誰かのため」に頑張ってしまう傾向があります。
色帯域では、【エメラルド】が目立っており、これは「聞き役」「協調」「優しさ」を表します。
Hさんは、人の話をじっと聞いてあげられる一方で、自分の声はなかなか出せない“優しすぎる人”でもあったのです。
◾️セルフケアの提案
① U-LaLa446 呼吸法(落ち着きの呼吸) やり方:背筋を伸ばし、鼻から4秒吸う → 4秒止める → 口から6秒吐くを5分繰り返す。
効果:副交感神経を高め、不安やストレスを鎮め、心拍・血圧を安定させる。
備考:丹羽真一, 2019, 福島県立医科大学/Nivethitha et al., 2016, J Clin Diagn Res
② “小さな成功”メモ やり方:寝る前に今日「できたこと・よかったこと」を3つノートに書き、その理由をひと言添える。
効果:小さな達成感の積み重ねで自己効力感を高め、幸福感が持続、抑うつ症状を軽減。
備考:島井哲志, 2010, 関西学院大学/Seligman et al., 2005, American Psychologist
◾️Hさんの声
最初は「呼吸なんかで変わるのかな…」って思ってました。
でも、呼吸と“よかったことメモ”を2週間続けたあたりから、朝の目覚めがぜんぜん違って。
胸の重さがスーッと引いていく感じがしたんです。
「こんなに我慢してたんだな」「誰かに話してよかった」って、はじめて自分のことを労ってあげられた気がしました。
◾️カウンセラー視点
私も同じ経験をしています。 そして潰れてしまいました。
Hさんの最初の言葉は、「自分みたいなのが相談していいのかも分からなくて」でした。
でも今では、「声に出すって、こんなに楽になるんですね」と言えるようになりました。
整えるというのは、無理に頑張ることではなく、自分の気持ちを丁寧に扱ってあげること。
そんなお手伝いができれば嬉しいです。
◾️まとめ
「弱音を吐くのは悪いこと」ではなく、「本音を言えること」が強さなのかもしれません。
ひとりで抱えることをやめたとき、心は少しずつ回復していきます。
あなたの声も、きっと誰かが受け止めてくれます。
◾️U-LaLaカウンセリング案内
・U-LaLa(うらら)では、心理学・脳科学・声紋分析を組み合わせたやさしいカウンセリングを提供しています。
・2025年8月より一般社団法人 日本認知・行動療法学会(CBT学会)会員として活動を開始。
最新エビデンスに基づく認知行動療法(CBT)を中心とした支援体制を強化し、“根本改善”を加速します。
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