「相談しても解決しない」と思っている人ほど変わる理由
「どうせ変わらない」
「話したってムダ」
そう思いながら、誰にも相談できずに一人で抱え込んでいませんか?
実は、「相談しても無意味」と感じている方ほど、大きな変化を経験するケースが多いのです。
今回は、相談を避けていた女性Rさんが、声をきっかけに“本当の自分”に出会い、心を整えていったエピソードをご紹介します。
◾️相談者事例(Rさんのエピソード)
Rさん(40代・事務職・女性)は、「誰かに頼るのは苦手」と話す方でした。
「周りに迷惑をかけたくない」「弱音を見せたくない」という気持ちが強く、職場でも家庭でも、いつも“ちゃんとした自分”でいようと頑張り続けていました。
しかし、心の中では常に焦りがあり、
「何をしても満たされない」
「理由はわからないけど、モヤモヤする」と日々感じていたそうです。
そんなある日、たまたま見かけたInstagramの記事が気になり、半信半疑で予約をしたそうです。
そこで初めて、自分でも気づいていなかった“感情の抑圧”と“過剰な頑張り”に目を向けることになったのです。
◾️心理学の視点から
Rさんのように、「相談してもムダ」と感じてしまう背景には、“学習性無力感”という心理状態が関係しています。
これは、「何をしても変わらない」と感じる状態で、何度も否定的な経験をすると、自分には変える力がないと学習してしまう心の反応です。
また、長年「弱さを見せられない」環境にいた場合、“自己効力感(=自分にはできるという感覚)”が低下しやすくなります。
「どうせムリ」が口ぐせになる頃には、自分の可能性を信じる力がすり減っていることが多いのです。
◾️脳科学の視点から
脳の中で“心のブレーキ役”を担うのが「前頭前野」です。
過剰に働きすぎると、思考が堂々巡りになったり、自己否定のループから抜け出せなくなります。
また、“感情のセンサー”である「扁桃体」が常に不安や緊張に反応していると、脳全体が“緊急モード”に入り、冷静な判断ができなくなってしまいます。
Rさんの場合も、声の震えや呼吸の浅さから、脳がずっと緊張状態にあったことが読み取れました。
◾️声紋分析の結果と解説
Rさんの声からは、次のような傾向が見られました。
・判断基準:視感覚(ブルー~マゼンタ)
・行動基準:社会軸(マゼンタ)
・特徴:全体的に高周波に偏り、顕在意識に負荷がかかっていた
視感覚が強い方は、「ちゃんと見られたい」「評価されたい」という思いを持ちやすく、社会軸との組み合わせで「役に立つこと」を優先しがちです。
その一方で、潜在的な「しんどさ」や「助けて」が声に乗りにくく、周囲にも気づかれにくくなります。
◾️セルフケアの提案
① U-LaLa446 呼吸法(落ち着きの呼吸) やり方:背筋を伸ばし、鼻から4秒吸う → 4秒止める → 口から6秒吐くを5分繰り返す。
効果:副交感神経を高め、不安やストレスを鎮め、心拍・血圧を安定させる。
備考:丹羽真一, 2019, 福島県立医科大学/Nivethitha et al., 2016, J Clin Diagn Res
② U-LaLa “小さな成功”メモ(3つのよかったこと日記) やり方:寝る前に今日「できたこと・よかったこと」を3つノートに書き、その理由をひと言添える。
効果:小さな達成感の積み重ねで自己効力感を高め、幸福感が持続、抑うつ症状を軽減。
備考:島井哲志, 2010, 関西学院大学/Seligman et al., 2005, American Psychologist
◾️Rさんの声
いつの間にか、ずっと“がんばるのが当たり前”になっていました。
でも、毎日ほんの少し呼吸を意識して、“よかったこと”を書くだけで、不思議と気持ちに余白が生まれてきて。
「疲れてるのに気づかないくらい、走り続けてたんだな」って、自分をようやく見つけてあげられた気がしました。
◾️カウンセラー視点
Rさんは、「話してもどうせ変わらない」とずっと思っていたそうです。
でも、6秒の声から見えた“本当の頑張り方”に気づいたことで、肩の力が少しずつ抜けていきました。
「相談=弱さ」ではなく、「整えるための知恵」として向き合えたことで、Rさん自身の“回復力”が動き出したのだと感じます。
◾️まとめ
「相談しても意味がない」と感じるときほど、心の中では本当は「誰かにわかってほしい」と願っているのかもしれません。
その声に、まず自分が気づいてあげること。
そこから、変化の一歩が始まります。
整えることは、弱さではなく“力を取り戻すこと”。
声は、あなたの中の力をそっと教えてくれます。
◾️U-LaLa カウンセリング案内
・U-LaLa(うらら)では、心理学・脳科学・声紋分析を組み合わせたやさしいカウンセリングを提供しています。
・2025年8月より一般社団法人 日本認知・行動療法学会(CBT学会)会員として活動を開始。
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