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なぜ夫婦は同じことで何度も喧嘩するのか?

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夫婦・恋愛のトラブル

夫の顔色は見えているのに、気持ちまで考えられないとき

また同じことで喧嘩してしまった。

 

夫の顔を見れば、機嫌が悪そうなのはわかる。

 

いつもより返事が短いことにも気づく。

 

何となく疲れていることも見えている。

 

それなのに、やさしく声をかける余裕がない。

 

むしろ、

 

また機嫌が悪い。

 

私だって疲れているのに。

 

そんな気持ちが先に出てしまう。

 

そして、夫のちょっとした一言にイライラして、いつもの喧嘩になる。

 

あとになってから、

 

どうしてあんな言い方をしてしまったんだろう。

 

もっとやさしくできたはずなのに。

 

そう自分を責めてしまう女性は少なくありません。

 

でも、ここで考えてほしいことがあります。

 

相手のことが見えなくなったのではなく、見えていても、その先まで考える余裕がなくなっているのかもしれません。

 

今回は、仕事と子育てを頑張るKさんの事例から、夫婦が同じ喧嘩を繰り返してしまう理由を、心理学・脳科学・声紋分析の視点から考えていきます。

 

3 相談者事例

Kさんは、仕事をしながら子育てもしている女性です。

 

朝は自分の準備だけではありません。

 

子どもの支度をして、忘れ物がないか確認して、自分も仕事へ向かいます。

 

職場では周囲に気を配りながら仕事をこなします。

 

家に帰れば、夕食、片づけ、子どものこと、明日の準備。

 

一日が終わるころには、もうクタクタでした。

 

そんなKさんですが、夫のことを見ていないわけではありません。

 

むしろ、よく見えています。

 

夫の表情。

 

いつもと違う行動。

 

返事の仕方。

 

黙ってスマートフォンを見ている様子。

 

そうした変化は目に入ります。

 

ところが最近は、夫の不機嫌そうな顔を見ると、

 

疲れているのかな。

 

何かあったのかな。

 

と考える前に、

 

また機嫌悪いの。

 

私、何かした。

 

という気持ちが出るようになっていました。

 

そして夫から何か言われると、

 

私だって疲れている。

 

と強く返してしまいます。

 

夫も言い返します。

 

また同じ喧嘩です。

 

Kさん自身も不思議でした。

 

夫の様子は見えている。

 

でも、その先を考えようとしても、頭がなかなか動かない。

 

Kさんが困っていたのは、まさにそこでした。

 

4 心理学解説

見えていることと、理解することは同じではありません

人は疲れていると、心の余裕が少なくなります。

 

たとえば、仕事が順調で、よく眠れた休日なら、夫が黙っていても、

 

今日は疲れているのかな。

 

と思えるかもしれません。

 

ところが、仕事で一日中気を使い、帰宅してからも家事や子育てが続いている。

 

そんな日に同じ夫の顔を見ると、

 

また不機嫌なの。

 

となることがあります。

 

夫の顔は同じでも、受け取る側の心の余裕が違うのです。

 

そして、疲れているときほど、私たちは目の前の出来事を短く判断しやすくなります。

 

考えることをさぼっているのではありません。

 

考えるための余裕そのものが少なくなっているのです。

 

だからKさんに必要だったのは、

 

もっと夫の気持ちを考えなければ。

 

と頑張ることではありませんでした。

 

まず必要だったのは、

 

私、かなり疲れているかもしれない。と自分の状態に気づくことでした。

 

5 脳科学解説

疲れていると、頭の中の整理に時間がかかることがあります

脳には、考える、整理する、判断する、感情を調整するといった働きがあります。

 

その働きに深く関係している場所の一つが、前頭前野です。

 

前頭前野は、頭の中の司令塔のような役割をしています。

 

ストレスや疲れが重なると、普段ならできている判断や気持ちの切り替えが難しくなることがあります。

 

Kさんの場合も、夫の顔は見えています。

 

でも、

 

夫はどうしてこんな顔をしているんだろう。

 

仕事で何かあったのかな。

 

私に怒っているとは限らないよね。

 

と、一つずつ考える余裕が少なくなっていました。

 

さらに、不安や危険などへの素早い反応に関わる脳の場所の一つに、扁桃体があります。

 

疲れて心に余裕がないときには、夫の何気ない言葉にも強く反応してしまうことがあります。

 

たとえば夫から、

 

ご飯はまだ。

 

と聞かれただけでも、

 

早く作って。

 

と言われたように感じる。

 

そこで、

 

私だって今帰ってきたの。

 

と反応する。

 

夫は、

 

聞いただけなのに。

 

となる。

 

こうして、夕食の確認だったはずの会話が喧嘩になってしまうことがあります。

 

また、記憶に深く関係している海馬の働きによって、今の出来事が過去の似た経験と結びつくこともあります。

 

前もそうだった。

 

あのときも私ばかりだった。

 

そうした記憶まで出てくると、今日の一言だけの問題ではなくなります。

 

だからこそ、夫婦喧嘩を考えるときには、言葉だけではなく、そのとき自分がどのくらい疲れていたのかにも目を向けることが大切です。

 

6 声紋分析セクション

Kさんの声紋分析から見えてきたこと

Kさんの判断基準には、視感覚、ブルー〜マゼンタ、客観視・直観・ビジュアルという傾向が見られました。

 

Kさん自身も、夫の表情や行動の変化はよく目に入ると話していました。

 

ここで大切なのは、視感覚だから夫の顔色を気にしてしまう、と決めつけないことです。

 

声紋分析で確認された傾向と、実際の生活の中でKさんが感じていることを一緒に整理していきます。

 

さらに、V4の波形で見る行動基準では、ターコイズを代表色とする相手軸の傾向が見られました。

 

相手軸とは、目の前の相手のために行動することが力になりやすいタイプです。

 

モチベーションにつながりやすい言葉は、あなたのためにです。

 

Kさんは家族の様子を気にかけ、夫や子どものために動くことが多くありました。

 

でも、仕事と子育てが重なり、自分自身もかなり疲れていました。

 

ここは分けて考える必要があります。

 

疲れて思考が遅くなっていたことを、声紋分析が示しているわけではありません。

 

声紋分析から見えてきたのは、Kさんの判断や行動の傾向です。

 

そして日常生活を聞いていく中で、仕事や子育てによる疲れが重なっていることがわかってきました。

 

この二つを一緒に見ていくと、

 

相手の様子は目に入る。

 

相手のことも気になる。

 

でも、そこから先をゆっくり考える余裕が残っていない。

 

というKさんの苦しさが整理しやすくなりました。

 

必要なのは、さらに相手のために頑張ることではありません。

 

夫に向けていた視線を、自分自身にも少し向けてみること。

 

そこがKさんにとって大切なポイントでした。

 

7 疲れセルフチェックリスト

最近の自分を思い出しながら確認してみてください。

  • 夫のちょっとした表情が気になる。
  • 何でもない一言にイライラする。
  • 話を聞いても、すぐに意味を理解できないことがある。
  • 考えをまとめるまで時間がかかる。
  • 仕事から帰ると何も考えたくない。
  • 子どもの話と夫の話を同時に聞くのがつらい。
  • 前なら流せたことが気になる。
  • 昔の嫌だったことまで思い出す。
  • 自分ばかり頑張っていると感じる。
  • 休んでいても頭の中では次の予定を考えている。

いくつ当てはまったから問題、というチェックではありません。

大切なのは、

今の私は、思っていた以上に疲れていないかな。

と自分を見るきっかけにすることです。

 

 

8 セルフケア提案

今回は、Kさんのように仕事、子育て、夫婦関係が重なって頭の余裕がなくなっているときに取り入れやすい3つを、U-LaLa標準セルフケアリストから選びます。

セルフケア1 U-LaLa446呼吸法

方法

背筋を楽に伸ばします。

鼻から4秒かけて息を吸います。

4秒止めます。

口から6秒かけてゆっくり吐きます。

無理のない範囲で5分ほど繰り返します。

効果

ゆっくりした呼吸によって、緊張した状態から落ち着いた状態へ切り替える時間を作ります。

夫に言い返したくなったときも、すぐに答えを出さず、自分の状態を確認する小さな間として使えます。

備考 エビデンス

片岡秋子・門間正子・林裕子による腹式呼吸と自然呼吸の相違による自律神経系への影響、2005年、ヒューマン・ケア研究では、腹式呼吸と自律神経活動の関係が検討されています。

 

セルフケア2 筋ほぐしリラックス

方法

足先から順番に、ふくらはぎ、太もも、お腹、腕、肩、顔へ進みます。

それぞれ5秒ほど力を入れます。

そのあと、ストンと力を抜きます。

全部で10〜15分を目安に、無理のない範囲で行います。

効果

忙しいと、自分が体に力を入れていることにも気づきにくくなります。

一度力を入れてから抜くことで、緊張とゆるんだ状態の違いに気づきやすくなります。

パソコンなどを使う仕事では、作業時間や休止、姿勢などを含めて心身の負担を減らすことが大切だと厚生労働省も示しています。

備考 エビデンス

厚生労働省の情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン、2019年では、情報機器作業による心身の負担を軽減するため、作業管理や健康管理などの考え方が示されています。

 

セルフケア3 セルフ・コンパッション1分

方法

胸にそっと手を当てます。

そして1分だけ、自分にやさしい言葉をかけます。

今日もよくやった。

疲れているなら、少し休んでいい。

全部を今考えなくてもいい。

自分が受け取りやすい言葉で構いません。

効果

夫のことを考える前に、自分が今どんな状態なのかに気づく時間になります。

自分を責めるのではなく、自分にもやさしい目を向ける練習です。

備考 エビデンス

有光興記によるセルフ・コンパッション尺度日本語版の作成と信頼性,妥当性の検討、2014年、心理学研究では、日本人を対象にセルフ・コンパッションと心の健康との関連が検討されています。

 

9 クライエントさんの声

Kさんの言葉

私はずっと、夫が変わってくれれば喧嘩が減ると思っていました。

 

夫の顔を見ると機嫌が悪そうなのはすぐわかるし、いつもと行動が違うことにも気づいていました。

 

でも、最近はそこから先を考えられませんでした。

 

また機嫌が悪い、私に何か言いたいのかな、とすぐにイライラしていました。

 

カウンセリングで話していくうちに、夫のことが見えていないのではなく、自分が疲れすぎていて考える余裕がなくなっていたんだと整理できまし

た。

 

先生からも、もっと夫のことを考えたほうがいいという話ではなく、まずKさん自身の疲れを見てみましょうと言われました。

 

それを聞いたとき、少し安心しました。

 

声紋分析でも、私は視感覚の傾向があり、V4では相手軸の傾向があることを知りました。

 

家族のことを気にして動くのは、自分にとって当たり前だったんだと思います。

 

でも、相手のために動くことと、自分を後回しにすることは同じではないと気づきました。

 

今は、イライラしたときにすぐ言い返すのではなく、446呼吸法をやってみたり、今日はかなり疲れているなと自分に言ったりしています。

 

全部うまくできるわけではありません。

 

それでも、前より夫の一言にすぐ反応しない日が少しずつ増えてきました。

 

これからは夫の顔色を見るだけではなく、自分の顔色も見るような気持ちで、自分の状態にも気づいていきたいです。

 

10 カウンセラー視点

Kさんのお話を聞いていて感じたのは、夫のことを見ていなかったのではない、ということでした。

 

むしろ、よく見ていました。

 

声紋分析でも、視感覚、ブルー〜マゼンタ、客観視・直観・ビジュアルという傾向がありました。

 

そしてV4では、ターコイズを代表色とする相手軸の傾向が見られました。

 

だからこそ、今回大切にしたのは、

 

もっと相手を見ましょう。

 

ではありませんでした。

 

Kさんに必要だったのは、自分にも目を向けることでした。

 

夫の顔色を見る。

 

子どもの様子を見る。

 

職場の人を見る。

 

その視線を、ときどき自分にも向ける。

 

今日の私は疲れていないかな。

 

今、この話をする余裕はあるかな。

 

少し休んでからでもいいんじゃないかな。

 

そうやって自分の状態を知ることも、夫婦関係を整える大切な一歩だと考えています。

 

11 まとめ

夫婦が同じことで何度も喧嘩すると、

 

性格が合わないのかな。

 

愛情がなくなったのかな。

 

と考えてしまうことがあります。

 

でも、その前に見てほしいものがあります。

 

二人の疲れです。

 

相手のことは見えている。

 

でも、考える余裕がない。

 

相手を大切にしたい。

 

でも、自分自身がもうクタクタ。

 

そんな状態なら、必要なのはさらに頑張ることではないかもしれません。

 

夫はどうしたんだろう。

 

と考える前に、

 

私は今、どうなんだろう。

 

と自分に聞いてみる。

 

同じ喧嘩を繰り返しているときこそ、相手を変えることだけではなく、自分の判断や行動の傾向、そして今の疲れを知ることが、関係を見直すきっか

 

けになることがあります。

 

12 U-LaLaカウンセリングのご案内

夫のことは見えているのに、なぜこんなにイライラするんだろう。

本当は仲良くしたいのに、また同じ喧嘩をしてしまう。

そんなときは、自分の性格を責める前に、自分の心の動きや判断の傾向を一緒に整理してみませんか。

 

U-LaLa(うらら)では、心理学・脳科学・声紋分析を組み合わせたやさしいカウンセリングを提供しています。

 

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