脳のSOS? 「指示に従わない・不機嫌・友達を傷つけてしまう」行動の理由と、親が今日からできるサポート法〜
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親子・介護ストレス
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「さっきまで笑っていたのに急に大泣き……」「叱っても言うことを聞かない」「乱暴で友達を傷つけてしまう」。
目の前で起こる“困った行動”をどう受け止め、どう関わればいいのか――親としては心配とイライラが交錯しますよね。
でも、これらの行動は子どものわがままではなく、脳と心が発するSOSのことが多いのです。
この記事では、心理学・脳科学の視点から原因をやさしく解説し、家庭でできる具体的なサポート方法をお届けします。
Aさん(39歳・事務職・母親)
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小学1年生の娘が宿題の途中で突然涙ぐみ「もう無理!」と投げ出す。
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励ますつもりの声かけを拒絶し、鉛筆を床に叩きつけて怒る。
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泣き疲れて寝るが、夜中に不安で目覚めてしまう。
Aさんの声「娘を支えたいのに『ダメな母親だ』と自分を責めてしまいます……」。
Bさん(45歳・パート勤務・母親)
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小学3年生の息子が友達に消しゴムを投げるなど攻撃的な行動が続く。
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学校からの連絡に胸が締め付けられ、自宅でもピリピリムード。
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息子を叱った後で自分も泣いてしまうことが増えた。
Bさんの声「『お友達を傷つけないで!』と叫んでしまい、自己嫌悪で眠れません」。
Cさん(34歳・育休中・母親)
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幼稚園年長の娘が朝の支度で「靴下が嫌!」と泣きながら暴れる。
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下の子の世話も重なり、焦るほど娘の不機嫌が強まる。
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園バスに乗せる頃には母娘ともにクタクタ。
Cさんの声「毎朝のバトルで心が折れそうです……」
心理学・脳科学のやさしい解説
脳の部位
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主な役割
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子どもに起きていること
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・前頭前野(ぜんとうぜんや) | 行動をコントロールし、考えてから動く | 発達途中で“ブレーキ”が弱い |
・扁桃体(へんとうたい) | 危険を感じるとすぐ反応し、怒り・恐怖を生む | 些細な刺激でも“敵だ!”と誤解しやすい |
・海馬(かいば) | 記憶を整理し、安心できる情報をしまう | 不安体験が多いと「世界は危険」と記憶 |
ポイント(親向けメモ)
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子どもの脳はまだ工事中。高校生頃まで前頭前野は完成しません。
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扁桃体だけがフルスピード→刺激に即反応し、泣く・怒る・暴れる。
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親が「ここは安全だよ」と示すことで、海馬に安心記憶が蓄積され落ち着きが出ます。
Aさん「娘と一緒に6秒呼吸を試したら『ママ、困ったらギュッてして』と自分から言えるように。寝る前の涙も減り、私自身も笑顔が増えました」。
Bさん「タイムインで抱きしめることを徹底したら、息子が『ママ、話を聞いて』と暴れる前に言葉で助けを求めてくれるように。学校の連絡帳にも“落ち着いて過ごせました”と書かれる日が増えました」。
Cさん「背中さすりを続けたら、朝の“靴下イヤ!”が3分で落ち着くことも。『背中トントンして』と自分からリクエストする姿に成長を感じます」。
方法
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親のアクション
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期待できる脳への効果
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・6秒呼吸 | 4秒吸って2秒止め、ゆっくり吐く(親子で一緒に) | 扁桃体の興奮を下げ、前頭前野をON |
・感情ラベリング | 「今は悲しいんだね」「悔しかったんだね」と気持ちを言語化 | 言語化で海馬が安心記憶を増やす |
・タイムイン | 問題行動直後、叱るよりまず抱きしめ安心空間を確保 | ストレスホルモン急上昇を防ぐ |
・背中さすり (120%ケア) |
肩甲骨から腰にかけ、手のひら全体で5〜7回ゆっくり。30秒以上続け「大丈夫だよ」と声を添える | 触覚刺激でオキシトシン・セロトニンが一気に分泌。副交感神経優位で心拍・呼吸が整い扁桃体を深く鎮める |
・親のセルフケア | 親自身が睡眠・食事・趣味時間を確保 | 親の前頭前野が安定し、落ち着いた声かけが増える |
感情ラベリングをもっと分かりやすく
提案から最終の“名前確定”+ケアまで——6ステップで解説
ステップ | 親のアクション | 子どもの脳と心で起こること |
1. 気持ちをキャッチ | 表情・声のトーン・しぐさを観察。「眉が下がっている」「声が震えている」など具体的にメモ | 親が落ち着いて見守ることで、子どもは“見てもらえている”と感じ安心ホルモン(オキシトシン)がじわり |
2. 名前の第一候補を提案 | 「今は悲しいのかな?」「もしかして悔しい?」——やさしい質問形で提示 | 前頭前野が刺激され「自分の感情を言葉で考える」回路が動き出す |
3. チューニング(微調整) | 子どもが「違う!」なら「じゃあ寂しい? 怒ってる?」と2〜3個めの候補を出す | 「選択肢の中から自分で選ぶ」ことで自己効力感UP。扁桃体の興奮が下がりやすい |
4. 最終確定&共有 | 「◯◯ちゃん(くん)は悔しいんだね」と“名前+ちゃん/くん”でラベルを確定し、親子で声に出して確認 | 言語化された感情が海馬に保存され、“モヤモヤの正体”がはっきりする |
5. 行動リンク | 「悔しいときは深呼吸→右手をぎゅっと握ろう」など具体的対処をセットで教える | ラベル+行動パターンがセットで記憶され、次回から自分でケアしやすくなる |
6. ケアで寄り添う | ラベルに合わせたタッチや声かけをプラス・悲しい→背中をなでながら「悲しかったね、一緒に深呼吸しよう」・悔しい→肩をポンとし「悔しいね、3回ジャンプでパワーを出そう」・怖い→手を包んで「怖かったね、ギュッと握って安心しよう」 | 「感情がわかったらすぐケアしてくれる」という体験が安心回路を強化。扁桃体→前頭前野への切り替えが速くなる |
会話例(6ステップを通して)
子「(プリントをぐしゃぐしゃに)もうやだ!」
親「眉がしわしわだね。今は悲しいのかな?」(ステップ2)
子「違う!」
親「そっか。じゃあ悔しい気持ち?」(ステップ3)
子「……うん、悔しかった」(ステップ4)
親「◯◯くんは悔しいんだね。悔しいときは深呼吸して右手をぎゅっと握ろう」(ステップ5)
(背中を軽くさすりながら)「一緒に3回ジャンプして悔しさを飛ばそう」(ステップ6)
感情を“モノの名前”のように扱えると、子どもは「気持ちはコントロールできる」と体験的に学び、行動の嵐が徐々に収まります。
“困った行動”は、子どもの心と脳が「助けて!」と叫ぶサイン。まずは親が整い、安心の土台を作ることで、子どもは少しずつ自分で感情を整える力を育みます。
焦らず、小さな一歩を一緒に踏み出しましょう。
U-LaLa(うらら)では、心理学・脳科学・声紋分析を組み合わせたやさしいカウンセリングを提供しています。
6秒の声から、あなたとお子さんの“判断感覚”と“行動軸”がわかります。
オンライン・電話でも対応可能です。 初回は無料でご相談いただけます。お気軽にお問い合わせください。
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