#227 上司として、言えない言葉を言葉にする:感情表現のコツ
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言いたいのに、言えない。胸の奥がもやもやするけれど、うまく言葉にならない。
そんな瞬間、あなたにもありませんか? 誰かに自分の気持ちを伝えたい。
でも、「うまく言えなかったらどうしよう」「否定されたらつらい」
そんな思いが心にブレーキをかけてしまうのです。
今回は「感情を言葉にすること」がテーマです。
あなたの心の奥にある“本当の気持ち”が、少しずつ外に出られるようになるヒントをお届けします。
◾️相談者事例(Aさんのエピソード)
Aさん(40代男性・事務職)は、部下との関係に悩んでいました。
最近、ある若手社員がミスを繰り返していて、注意しなければと思いつつも、なぜか言葉が出てこないのです。
「自分の言い方で相手を傷つけるんじゃないかと思って、いつも飲み込んでしまうんです」
結果、イライラだけが蓄積し、自分自身にも「言えない自分が情けない」と自己嫌悪に陥ってしまう毎日。
◾️心理学解説:感情の抑圧と自己効力感
感情を伝えられない状態が続くと、「自分は人とうまく関われない」という無力感に包まれてしまいます。
これは「学習性無力感」と呼ばれ、努力しても報われない体験を繰り返すことで、自信や希望が失われていく心理状態です。
また、「どう伝えたらいいかわからない」という感覚は、自己効力感(=自分にはできるという感覚)の低下を意味します。
感情表現にはスキルも必要であり、トレーニングによって回復することが可能です。
◾️脳科学解説:前頭前野と扁桃体の関係
感情を言葉にする力には、脳の「前頭前野(ぜんとうぜんや)」が関係しています。
ここは“考える脳”とも呼ばれ、感情を整理し、相手に伝える機能を担っています。
一方、感情が高ぶると、「扁桃体(へんとうたい)」という部位が強く反応します。
この扁桃体の過剰な働きが、言葉を詰まらせてしまう原因になることもあります。
つまり、感情表現がうまくいかないのは「心が弱いから」ではなく、「脳のバランス」が関係しているのです。
◾️声紋分析から見る傾向:Aさんの声の特徴
Aさんの声を分析すると、レッド〜ゴールド帯域(体感覚)が強く出ていました。
この傾向は「感じたことを自分の中に溜め込みやすい」タイプに多く見られます。
また、判断基準は「相手軸(ターコイズ)」が優位で、「相手のためにどう伝えるか」を常に考えてしまう傾向がありました。
その結果、自分の感情を後回しにし、言いたいことを我慢する場面が増えていたのです。
◾️上司としての感情表現:実践例とヒント
部下に対して気を遣いすぎてしまうと、言いたいことを飲み込み、自分だけが苦しくなってしまうことがあります。
でも、「相手を思うからこそ、正直に伝える」ことが、本当の信頼関係を築く第一歩です。
以下は、同じように悩んでいる上司の方に役立つ、具体的な対応例です。
🔹シーン①:ミスが続いた部下への注意
✕「またミスか。しっかりしてくれ」
○「正直に言うと、今回の件では少し焦りも感じました。でも、あなたがこれから成長するためのチャンスだとも思っています」
🔹シーン②:報連相が少ない部下へのモヤモヤ
✕「なんで報告がないんだよ?」
○「最近の動きが少し見えにくくて、不安になることがありました。こまめに報告をもらえると、こちらも動きやすくなって助かります」
🔹シーン③:部下の態度に違和感があったとき
✕「その態度はないだろう」
○「今日のやり取りで、少し距離を感じてしまって、気になっていました。もし何か伝えづらいことがあるなら、教えてもらえると嬉しいです」
🔹シーン④:声をかけたいけど迷っているとき
✕(何も言えずに見守るだけ)
○「最近どう?ちょっと気になってたんだけど、もし何かあったら話してね」
🔸ヒント: 感情を伝えるときは、「怒り」の裏にある「不安」「焦り」「心配」といった一次感情を言葉にすると、相手にも届きやすくなります。 また、「私は〜と感じた」「〜されると助かる」といった言い方で、自分の気持ちを主語にすると、相手の防衛反応を和らげることができます。
◾️セルフケアの提案
U-LaLa “小さな成功”メモ(3つのよかったこと日記)
やり方:寝る前に今日「できたこと・よかったこと」を3つノートに書き、その理由をひと言添える。
効果:小さな達成感の積み重ねで自己効力感を高め、幸福感が持続、抑うつ症状を軽減。
備考:島井哲志, 2010, 関西学院大学/Seligman et al., 2005, American Psychologist
U-LaLa446 呼吸法(落ち着きの呼吸)
やり方:背筋を伸ばし、鼻から4秒吸う → 4秒止める → 口から6秒吐くを5分繰り返す。
効果:副交感神経を高め、不安やストレスを鎮め、心拍・血圧を安定させる。
備考:丹羽真一, 2019, 福島県立医科大学/Nivethitha et al., 2016, J Clin Diagn Res
感情ラベリング
やり方:今の気持ちを「イライラ」「寂しい」「焦っている」など一語で言葉にして、紙に書く。
効果:脳の前頭前野が活性化し、感情が整理されて落ち着きやすくなる。
備考:Lieberman et al., 2007, Psychological Science
◾️クライエントさんの声
「自分の気持ちを言葉にしてもいいんだと思えました」
「一つ一つ書き出すことで、気持ちが整理されていく感じがしました」
「最近は“伝えること”が少し楽しみになっています」
◾️カウンセラー視点
Aさんは、はじめは「うまく言えない自分がダメだ」と思い込んでいました。
けれど、自分の感じたことを“まず自分で受け止める”練習をしたことで、少しずつ「伝えても大丈夫」という安心感が育っていきました。
同じように悩む方にも、「感情を伝えることは勇気ではなく技術」だと伝えたいです。
少しずつ練習すれば、誰でもできるようになります。
◾️まとめ
感情を言葉にすることは、特別な才能ではありません。
小さなステップで、自分の気持ちに気づき、少しずつ外に出すことで、心は軽くなっていきます。
あなたにも、その力はきっとあります。 一緒に、言葉にする練習から始めてみませんか?
◾️U-LaLaカウンセリング案内
・U-LaLa(うらら)では、心理学・脳科学・声紋分析を組み合わせたやさしいカウンセリングを提供しています。
・2025年8月より一般社団法人 日本認知・行動療法学会(CBT学会)会員として活動を開始。
最新エビデンスに基づく認知行動療法(CBT)を中心とした支援体制を強化し、“根本改善”を加速します。
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・初回は無料でご相談いただけます。お気軽にお問い合わせください。
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