#232「ゲームばかり、片づけない」その先にあった“学校がつらい”というサイン 〜父と息子の物語〜
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親子・介護ストレス
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はじめは、ただゲームが増えただけでした。
Bさんの息子・Kくんが学校を休みがちになったのは、小学5年生の秋ごろでした。
最初は「最近ちょっと寝不足かな」「ゲームのしすぎじゃない?」くらいに思っていましたが、 気づけば放課後も休日も、ずっとゲーム。
声をかけても無視され、片づけを言えばブチ切れ。
だんだんと“学校”という存在が、遠ざかっていきました。
今ならわかります。 その行動の一つひとつが、「学校がつらい」「助けて」という心のサインだったのだと。
Bさんのエピソード(42歳・男性/小5の男の子の父)
Kくんは、以前は明るく友達も多いタイプでした。
けれど、ある日から急に「学校行きたくない」と言うように。
最初は「そのうち元に戻るだろう」と思っていたものの、 朝になると泣きそうな顔で布団から出られない。
無理に連れて行こうとすると怒鳴り、家の中でもゲーム漬けに。
片づけは放置、ご飯も適当。何を言っても反発され、つい声を荒げることも。
ある日、妻がぽつりと——
「……たぶん、いじめ、受けてると思う」
その言葉を聞いて、背筋がゾッとしました。
心理学の視点:「できない」ではなく「守っている」
カウンセラーさんに相談すると、こんなふうに教えてくれました。
「Kくんは、“学校が怖い”という感情を消すために、ゲームに逃げていた可能性があります」
大人の私たちは「現実と向き合え」と思ってしまいますが、 子どもにとっていじめは、命に関わるほどのストレスです。
だからこそ、現実を避ける行動(ゲーム・無視・暴言)は、 “自分を守る最後の手段”として現れていたのです。
いじめへの具体的なアドバイス:安全と信頼の再構築
カウンセラーさんからは、いじめに対して次のような具体的なアドバイスがありました。
・まずは「学校に行かなくていい」と伝えて、“心の安全”を最優先にする
・本人の気持ちを聞きながら「話してくれてありがとう」と受け止める
・担任や学校への相談は、必ず子どもと一緒にタイミングと内容を話し合ってからにする
・「これはあなたのせいじゃない」と何度でも繰り返す
「いじめからの回復には、“自分は守られている”という実感が何より大切なんです」
この言葉に、私は心底救われました。
脳のしくみ:いじめのストレスで「前頭前野」が止まっていた
脳の中には、「考える・我慢する・切り替える」などを司る「前頭前野(ぜんとうぜんや)」という部分があります。
強いストレスがかかると、この前頭前野の働きが落ちてしまい、 感情を抑えることができず、すぐに怒ったり泣いたりしてしまいます。
Kくんの癇癪、無反応、暴言—— すべては“脳の非常事態”だったのだと知ったとき、 私は初めて「この子は怠けてるんじゃなかった」と気づきました。
父親としての反省:「ちゃんとしろ」と言いすぎていた
正直に言うと、私はずっと「ちゃんとしろ」「男だろ」と言ってきました。
けれど、それが息子には「もう自分はダメだ」という感覚を強めてしまった。
「お父さんは、俺の気持ちなんか知らないくせに」
そう吐き捨てられた日の夜、私は眠れませんでした。
「信じるって、見守るって、難しいけど必要なことなんだ」と 今はやっと実感しています。
カウンセラーさんに教わった「3つのやさしい言葉」
父親でもできた、効果があった声かけを紹介します。
・お前、ちゃんと頑張ってるな。見てるよ
・話してくれてありがとう。うれしいよ
・何があっても、お父さんは味方だよ
最初は照れくさかったけれど、 こうした言葉を重ねるうちに、Kくんも少しずつ心を開いてくれました。
セルフケア:父と息子の心を整える3つの習慣
U-LaLa446 呼吸法(落ち着きの呼吸)
やり方:背筋を伸ばし、鼻から4秒吸う → 4秒止める → 口から6秒吐くを5分繰り返す。
効果:怒りや焦りがスッと引いて、息子との会話にも余裕が生まれる。
備考:丹羽真一, 2019, 福島県立医科大学/Nivethitha et al., 2016, J Clin Diagn Res
U-LaLa “小さな成功”メモ(3つのよかったこと日記)
やり方:寝る前に、息子と「今日できたこと」を1つずつ話し合う。
効果:自分を肯定する力が自然と育つ。
備考:島井哲志, 2010, 関西学院大学/Seligman et al., 2005, American Psychologist
U-LaLa グリーンマインドフル(自然を味わう瞑想)
やり方:週末は一緒に散歩し、木々や空を「感じる」ことに集中。
効果:親子で“今ここ”に意識を向け、安心感が共有される。
備考:越川房子, 2019, 筑波大学/Goyal et al., 2014, JAMA Intern Med
クライエントさんの声
以前の自分は、息子の“つらさ”をまったく理解していませんでした。
今は「今日は少しでも笑えたらOK」と思えるようになり、 息子も自分から「明日、午後だけ行ってみようかな」と言ってくれました。
カウンセラー視点
Bさんは、最初「どうしたら元に戻るか」に必死でした。
今は「まずは一緒に安心できる場所をつくる」ことを大切にされています。
親の変化が、子どもに伝わっていく。その典型的な事例です。
まとめ:不登校は“立ち止まる力”でもある
不登校は、子どもが「もう限界だよ」と教えてくれるサイン。
それを否定するのではなく、「いまは守ろう」と受け止める。
そこから少しずつ、信頼と安心の関係性が育っていきます。
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