#233「そんなことで泣かないの!」が逆効果? 子どもの心に届く“魔法のひとこと”とは
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親子・介護ストレス
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「そんなことで泣かないの!」
言ったあとに、胸がチクッと痛んだことはありませんか?
わかっていても、うまくできない日もあります。
ほんの一言で、親子の関係はやわらかく変わります。
その“言葉”を、一緒に見つけてみませんか?
◾️相談者事例(Aさんのエピソード)
Aさん(40代・女性・事務職)は、小学1年生の息子さんを育てるお母さん。
ある日、朝の支度中に「靴下が気持ち悪い!」と泣き出した息子に対して、つい「そんなことで泣かないの!」と声を荒げてしまいました。
出勤前の忙しい時間。
「早くして」「泣いてる場合じゃない」という気持ちが爆発してしまったのです。
その夜、寝顔を見ながら自己嫌悪に襲われたAさん。
「なんであんな言い方をしたんだろう」「泣いた理由をちゃんと聞いてあげればよかった」 ——そんな後悔の気持ちが胸に残ったといいます。
◾️なぜ?「靴下が気持ち悪い」で泣く子どもの心理
子どもの脳は、五感をまとめて処理する「感覚統合」がまだ発達途中です。 とくに触覚が敏感な子は、
・靴下の縫い目の位置
・ちょっとした生地のザラつき
・締めつけやムレ
・左右のフィット感の違い
こういった些細な刺激でも「我慢できないほど不快」に感じてしまいます。
これは「わがまま」ではなく、まだ脳が未熟で、感覚が強すぎる状態なのです。
そしてもう一つ大切なのが、「理由がわからないまま泣いてしまう」子どもの気持ち。
前頭前野(感情と言葉をつなぐ脳の部分)はまだ未発達で、
「なんとなくイヤ」「気持ち悪い」としか言えないことが多いのです。
そんなとき、
「どこが気持ち悪いか、いっしょに探してみようか」
「ママも小さいとき、服がチクチクしてイヤだったな」 そんな風に寄り添ってもらえると、子どもの心はほっと落ち着いていきます。
◾️心理学解説
なぜ、「そんなことで泣かないの!」が逆効果なのでしょうか?
その言葉は、子どもにとって「気持ちをわかってもらえない」「自分の感じたことは大したことじゃない」と受け取られがちです。
子どもはまだ、感情をうまく言葉にする力が育ちきっていません。
泣くことでしか表現できない“もどかしさ”を抱えているのです。
そんな中で気持ちを否定されると、 「どうせ言ってもムダだ」と感じ、心を閉ざすきっかけになってしまいます。
これは、心理学でいう「自己効力感(=自分には感情をコントロールしたり、状況を乗り越える力があると感じる力)」にも影響します。
子どもは「泣いた=怒られた」という経験を重ねることで、 自分の感情を表に出すことにブレーキをかけてしまうようになるのです。
◾️脳科学解説
子どもの脳では、感情をキャッチする“扁桃体(へんとうたい)”がとても敏感に働いています。
一方で、感情を言葉で整理したり、我慢したりする“前頭前野(ぜんとうぜんや)”はまだ発達途中です。
つまり、子どもは「感情があふれてくるのに、うまく整理して言葉にできない」状態なのです。
このとき、「泣かないで」と抑え込むよりも、まずは気持ちを“言葉にして代弁”してあげることで、脳の中で安心と落ち着きが育ちます。
◾️子どもの心に届く“魔法のひとこと”5選
-
「悲しかったんだね。泣いてもいいよ」
・気持ちをそのまま受け止めることで、子どもは安心して感情を出せるようになります。 -
「うんうん、ちゃんと伝えてくれてありがとう」
・泣くことで気持ちを表そうとした努力を認めると、自己表現への自信になります。 -
「ママもそんな気持ちになるときあるよ」
・大人も同じ感情を感じることを伝えることで、子どもは孤独感から解放されます。 -
「○○がイヤだったんだよね。どうしたかった?」
・泣きたくなった理由の背景にある“してほしかったこと”に寄り添います。 -
「いっしょに深呼吸してみようか」
・言葉が出にくいときも、呼吸を通じて心を落ち着かせるサポートができます。
◾️ママのためのセルフケアの提案
<U-LaLa446 呼吸法(落ち着きの呼吸)>
やり方:背筋を伸ばし、鼻から4秒吸う → 4秒止める → 口から6秒吐くを5分繰り返す。
効果:副交感神経を高め、不安やストレスを鎮め、心拍・血圧を安定させる。
備考:丹羽真一, 2019, 福島県立医科大学/Nivethitha et al., 2016, J Clin Diagn Res
<U-LaLa “小さな成功”メモ>
やり方:寝る前に今日「できたこと・よかったこと」を3つノートに書き、その理由をひと言添える。
効果:小さな達成感の積み重ねで自己効力感を高め、幸福感が持続、抑うつ症状を軽減。
備考:島井哲志, 2010, 関西学院大学/Seligman et al., 2005, American Psychologist
◾️クライエントさんの声
毎日SNSで流れてくるU-LaLaさんのブログを見て、毎日見ていました。
私の悩みを相談してみよう…と自然に思えたんです。
いろいろな角度から子供の心理を教えていただき、一緒に考えてくれて、私のことも理解して
今では、子どもとのやりとりが“うまくいかなくても大丈夫”と思えるようになりました。
◾️カウンセラー視点
Aさんのように「つい言ってしまった」ことに後悔するのは、親として自然な感情です。
でも、その後に「伝え方を変えよう」と気づいたことが、すでに大きな一歩なのです。
◾️まとめ
「そんなことで泣かないの!」という言葉の代わりに、
「悲しかったんだね」「泣いてもいいよ」と声をかけるだけで、 子どもの心に“安心のスイッチ”が入ります。
子どもの涙は、親とつながりたいというサインでもあります。 魔法のひとことを使って、その気持ちにそっと寄り添ってみてください。
◾️U-LaLaカウンセリング案内
・U-LaLa(うらら)では、心理学・脳科学・声紋分析を組み合わせたやさしいカウンセリングを提供しています。
・2025年8月より一般社団法人 日本認知・行動療法学会(CBT学会)会員として活動を開始。
最新エビデンスに基づく認知行動療法(CBT)を中心とした支援体制を強化し、“根本改善”を加速します。
・6秒の声から、あなたの“判断基準”と“行動基準”がわかります。
・オンライン・電話でも対応可能です。
・初回は無料でご相談いただけます。お気軽にお問い合わせください。
▶ ご予約・詳細はこちら https://www.human-dream-labo-kokoro.com/
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