「本音が言えない」人の声に共通する3つの特徴 〜声のクセは、心のクセ〜
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メンタル症状・不安/抑うつ
「本音を言ったら、嫌われるんじゃないか」「迷惑って思われたらどうしよう」。
そんなふうに思って、気づけばずっと周りに合わせてきた──。
本当は違う意見があっても、飲み込んでしまう。
頼みごとをされると、断れなくて無理してしまう。
このブログを読んでくださっているあなたも、 きっと「自分の本音を大切にしたい」と思っている方ではないでしょうか。
今回は、会社員歴10年のMさんの声の分析から見えてきた、 「本音が言えない人」に共通する“声の特徴”を3つご紹介します。
◾️相談者事例
Mさん 男性 40代 会社員(技術系)
職場では面倒見がよく、上司からの信頼も厚いMさん。でも、心の中ではこんな悩みを抱えていました。
「自分の意見を言おうとすると、急に声が小さくなるんです。
まわりの反応が気になって、うまく話せなくなることもあります」
実は、Mさんは幼い頃から「空気を読む」ことが得意でした。
そのぶん、自分の感情や欲求よりも、他人の気持ちを優先してしまうクセが身についていたのです。
その背景には、親の存在がありました。
幼い頃から「いい子にしていなさい」「わがまま言わないの」と言われ続けてきたMさん。
本音を出すよりも、親の期待に応えることが“安心できる道”だったのです。
◾️心理学解説
このような状態は、「自己効力感」の低下と関係しています。
自己効力感とは、「自分にはできる」という感覚のこと。
本音を伝えようとしても、
・うまく伝わらないかもしれない
・相手が不快に思うかもしれない といった不安があると、自己効力感が下がり、ますます言葉が出づらくなってしまいます。
また、「条件つきの愛情」によって育った人は、 “自分の気持ちより他人の期待を優先することが正解”という思い込みを持ちやすくなります。
これが、「本音を抑えるクセ」の根本にあるのです。
◾️脳科学解説
脳の中では、扁桃体という“感情の警報装置”が過敏に反応している可能性があります。
扁桃体は、不安や恐怖を感じると、前頭前野の「考える力」を弱めてしまう働きがあります。
その結果、「言いたいことが頭に浮かばない」「気づいたら話を合わせていた」といった反応が起こるのです。
さらに、親の顔色を気にして育った人ほど、扁桃体が過敏に反応しやすく、 安心を感じる力が育ちにくい傾向があることもわかっています。
◾️声紋分析
Mさんの声を6秒録音して分析したところ、以下のような傾向が見られました。
・判断基準(優位感覚):聴感覚(イエロー〜ターコイズ)
・行動基準(軸):相手軸(ターコイズ) ・色帯域:ターコイズが強く、ブルー・イエローがやや弱い
この結果から、Mさんは
・相手の感情に敏感で、空気を読むのが得意
・自分の気持ちを伝えるより、相手に合わせる傾向が強い
・客観的に考えたり、自分の意見を整理するのが少し苦手 という特徴が見えてきました。
とくに「聴感覚優位」という声の特徴は、 相手の声色や感情の変化に敏感で、まわりの空気を“聞いて”判断する傾向が強いことを表しています。
これは、幼い頃から「親や周囲の機嫌をうかがう必要があった」などの環境で育った人に多く見られます。
Mさんにとって、相手の気持ちを察することは“安心のための習慣”であり、
その結果として“空気を読むのが得意”という心のクセと声のクセが結びついたと考えられます。
◾️セルフケアの提案
Mさんのように「本音を言うことに不安がある」方にとって大切なのは、 まず“安心できる心と体の状態”をつくること。
そして“小さな成功体験”を重ねることで、自己効力感を少しずつ取り戻していくことです。
以下のセルフケアは、そのための土台になります。
U-LaLa446 呼吸法(落ち着きの呼吸)
やり方:背筋を伸ばし、鼻から4秒吸う → 4秒止める → 口から6秒吐くを5分繰り返す。
効果:副交感神経を高め、不安やストレスを鎮め、心拍・血圧を安定させる。 本音を言うときの“緊張やドキドキ”を落ち着ける助けになります。
備考:丹羽真一, 2019, 福島県立医科大学/Nivethitha et al., 2016, J Clin Diagn Res
“小さな成功”メモ(3つのよかったこと日記)
やり方:寝る前に今日「できたこと・よかったこと」を3つノートに書き、その理由をひと言添える。
効果:小さな達成感の積み重ねで自己効力感を高め、幸福感が持続、抑うつ症状を軽減。 「自分の感じたことにOKを出す」練習にもなり、本音を受け入れる力が育ちます。
備考:島井哲志, 2010, 関西学院大学/Seligman et al., 2005, American Psychologist
◾️クライエントさんの声
正直、自分がこんなに疲れてたって気づけなかったです。
呼吸と“よかったことメモ”を毎日続けたら、だんだん気持ちが落ち着いてきて、朝起きたときに少しだけ気持ちが軽くなってきました。
子どもの頃から「ちゃんとしなきゃ」って思ってた自分が、ようやく少しゆるんできた気がします。
◾️カウンセラー視点
Mさんは、最初はとても緊張されていました。 でも、声を聴きながら一緒に整理していくうちに、「本音を出しても大丈夫」という感覚が少しずつ育っていったように思います。
幼少期の体験が、いまの思考や反応にどう影響しているかを一緒に見つめ直すことで、安心と自己理解が深まっていきました。
◾️まとめ
「本音を言えない」ことは、決して“弱さ”ではありません。
それは、あなたがまわりを思いやれる人だからこそ起きている反応です。
そして、その“空気を読む力”は、子ども時代に身につけたあなたなりの“生き抜く力”でもありました。
でも、少しだけ自分にもやさしくなっていいのかもしれません。
声から見えてくる“心のクセ”を知ることが、最初の一歩になります。
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