子どもの笑顔が見えないとき、胸の奥がざわつくあなたへ
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親子・介護ストレス
「うちの子、最近笑ってない気がする……」
ふとした瞬間、そう感じたことはありませんか?
忙しい毎日、目の前のことに追われていると、子どもの小さな変化に過敏になる瞬間があります。
特に、いつも元気だったはずの子どもの笑顔が減ったように見えると、不安が胸の奥を締めつけるように広がります。
それは、あなたが「大切にしたい存在」に向き合っている証拠です。
今回は、小学5年生の母・Fさんのエピソードを通して、
「子どもの笑顔が減ったとき、親が感じる不安の正体」と、
「自分を責めないためのセルフケアのヒント」をお届けします。
◾️相談者事例
Fさん(40代・事務職)は、小学5年生の娘さんを育てるお母さん。
最近、娘さんが「ただいま」と言っても、笑顔が少なく、部屋にすぐ入ってしまうことが増えました。
「学校で何かあったのかな」「私の声かけが悪かったのかな」
そんなふうに自分を責めてしまい、夜ひとりで涙が出てしまうこともあったそうです。
日中は仕事、帰宅後は家事に追われ、娘さんとの会話も減っているような気がして、
Fさんは「母親としてダメなんじゃないか」と焦りと罪悪感に悩まされていました。
◾️心理学の解説
Fさんのように「子どもの笑顔が減った」と感じたときに、強く不安になるのは「自己効力感(=自分にはできるという感覚)」が下がっているサインかもしれません。
特に育児や家庭のことは、評価が見えづらいため、結果よりも“感情の反応”が指標になりやすいです。
娘さんの笑顔=安心、無表情=不安 というように、反応の変化を「自分の責任」として解釈してしまうと、
気づかぬうちに「学習性無力感(=どうせ
頑張っても意味がないという気持ち)」へとつながっていきます。
でも、これは「心が真剣に向き合っている証」です。
まずは「自分の気持ち」に気づくことが、第一歩となります。
◾️脳科学の解説
このような「ざわざわとした不安」は、脳の“扁桃体(へんとうたい)”という場所が強く反応している状態です。
扁桃体は、危険や不安に敏感に反応するセンサーのような役割をしていて、
子どもの様子が「いつもと違う」と感じたとき、親の脳は無意識に“緊急モード”に入ります。
この状態が続くと、“前頭前野(ぜんとうぜんや)”という「考える脳」がうまく働かなくなり、「冷静に判断する力」が弱まっていきます。
だからこそ、「今、私は不安なんだな」と立ち止まり、呼吸や行動で整えることがとても大切です。
◾️声紋分析から見るFさんの傾向
Fさんの声紋には、聴感覚(イエロー〜ターコイズ)が多く、相手軸(ターコイズ)の傾向が強く出ていました。
・判断基準:聴感覚(イエロー〜ターコイズ)→ 共感力が高く、相手の声色や表情の変化を敏感に感じ取る傾向
・行動基準:相手軸(ターコイズ)→ 目の前の相手に「どうすれば喜んでもらえるか」が行動の動機になるタイプ
このタイプの方は、「相手の変化」を自分の責任と感じやすく、がんばりすぎてしまう傾向があります。
まずは、自分を責める前に「今の私の状態」にも耳を傾けてあげることが大切です。
◾️セルフケアの提案
① U-LaLa446 呼吸法(落ち着きの呼吸)
やり方:背筋を伸ばし、鼻から4秒吸う → 4秒止める → 口から6秒吐くを5分繰り返す。
効果:副交感神経を高め、不安やストレスを鎮め、心拍・血圧を安定させる。
備考:丹羽真一, 2019, 福島県立医科大学/Nivethitha et al., 2016, J Clin Diagn Res
② “小さな成功”メモ(3つのよかったこと日記)
やり方:寝る前に今日「できたこと・よかったこと」を3つノートに書き、その理由をひと言添える。
効果:小さな達成感の積み重ねで自己効力感を高め、幸福感が持続、抑うつ症状を軽減。
備考:島井哲志, 2010, 関西学院大学/Seligman et al., 2005, American Psychologist
③ グリーンマインドフル(自然を味わう瞑想)
やり方:自然の景色やお茶を味わいながら、香り・音・光の感覚に意識を向ける。雑念が出たらまた感覚に戻す。
効果:ストレス・不安を軽減し、感情調整や集中力を高める。
備考:越川房子, 2019, 筑波大学/Goyal et al., 2014, JAMA Intern Med
◾️Fさんの声
正直、自分がこんなに気を張っていたなんて気づけませんでした。
“よかったことメモ”をつけ始めてから、自分の視点が少しずつ変わってきて、
「今日もごはん作れた」「仕事を最後まで終えられた」など、できていることに目が向くようになりました。
気持ちに少し余裕ができたことで、
娘に「今日はどうだった?」と優しく声をかけることができ、以前より自然に会話が増えてきた気がします。
呼吸を意識しただけで、胸の奥に毛布をかけられたような、そんな安心感がありました。
◾️カウンセラー視点
Fさんは「笑顔が減った」娘さんの変化に、深く反応していました。
でも、それは「見逃さずに感じ取る力」があるからこそです。
呼吸とセルフケアで「今の自分」にも意識を向けられるようになってから、娘さんとの会話も自然と戻ってきました。
◾️まとめ
子どもの笑顔が減ったとき、私たちは「どうしよう」と焦ってしまいます。
でもそれは、「大切にしたい気持ち」があるからこその反応。
そんな自分を責めずに、「不安を感じるのは自然なこと」と認めてあげることから始めましょう。
安心は、呼吸と小さな行動から少しずつ生まれていきます。
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