どうして今の子どもは怒られると萎縮してしまうの?
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親子・介護ストレス
「昔はもっと厳しかったよね」 「先生にビンタされても、普通だった」
そんな記憶を持つ親世代にとって、
「今の子どもは、なんですぐに萎縮するの?」 という疑問は自然なことかもしれません。
今回は、“昔と今”の違いを、脳と環境の視点からやさしく解説します。
◾️相談者の声
Aさん(50代・男性)は、自身が厳しく育てられた経験から、 「ある程度叱られるのは当然」「甘やかすとダメになる」 という価値観を持っていました。
でも、思春期の息子を叱った際、 その子が「はい…」とうつむいたまま心を閉ざしてしまい、 それ以降、ほとんど口をきいてくれなくなったそうです。
「昔の自分は怒られても反発してた。なんでうちの子は、こんなに落ち込むのか?」
そんな疑問を抱え、カウンセリングに来られました。
◾️脳科学から見る“子どもの変化”
今の子どもたちは、「感じる力」が非常に鋭敏です。
これは、日常的にデジタル画面・音・スピード情報にさらされている影響で、 視覚・聴覚が優位に発達しやすいことが一因と考えられています。
実際に、日本国内でもこの傾向を裏づける研究が進んでいます。
例えば、東北大学と浜松医科大学の共同研究では、 「1歳時のスクリーンタイムの長さ」が「2歳・4歳時点のコミュニケーション能力や問題解決能力の発達の遅れ」と関連していることが報告されました。
(JAMA Pediatrics掲載, 2023年|https://www.amed.go.jp/news/seika/files/000115957.pdf)
また、大阪大学・浜松医科大学の研究では、 幼児期のスクリーン視聴による影響が神経発達に及ぶ可能性があり、 外遊びなどの実体験がその影響を和らげる効果もあると示唆されています。
(大阪大学プレスリリース|https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2023/20230124_1)
つまり、“感じすぎる脳”になりやすい環境にある今の子どもたちは、 強い声・鋭い言葉・怒鳴り声に対して、 脳の“扁桃体”がすぐ反応し、
「怖い」「やばい」と感じてしまいやすいのです。
このとき、考える脳(前頭前野)は一時的に働きが弱まり、 「どうしたらいいか考える」よりも、 「怒られた=ダメだ」という萎縮や無気力に傾きやすくなります。
◾️子どもが“自分で考えられない”理由
昔の子どもは、外遊びやトラブルの中で、 自分でどうするか考える“自立の経験”が多くありました。
一方、今の子どもは、 ・正解を求められる学習 ・失敗が目立つSNS文化 ・管理されすぎた日常の中で、「間違えずに、正しくする」ことを優先して育っています。
この環境では、叱られること=「ダメな自分」と感じやすく、 考える余地がなくなってしまうのです。
◾️家庭の“安全基地”が不足している
昔は、叱る大人と支える大人が別々に存在していました。 (例:先生が叱っても、おばあちゃんが慰めてくれた 等)
しかし今は、親が“叱る人”であり、同時に“安心をくれる人”にもなっています。 この2つの役割が混ざると、 子どもは「どこで安心していいか分からない」状態になりやすいのです。
◾️親ができること
今の子どもにとって必要なのは、叱る前の“安心の土台”です。 そのために、親としてできる関わり方を5つご紹介します。
①【まずは受け止める】 → たとえば、子どもが何か話してきたときは 「話してくれてありがとう」「教えてくれてうれしいよ」 と伝えることで、子どもは「聞いてもらえた」と感じます。
②【できたことを具体的に伝える】 → 「早くやりなさい」ではなく、 「●●を最後までやったね」「声のかけ方がやさしかったよ」など、 行動を具体的に見てあげましょう。
③【見守る沈黙を持つ】 → 子どもが感情的になっているとき、すぐに言い返さず、 「今は落ち着いてからでいいよ」とスペースを与えましょう。
④【気づきを促す対話をする】 → 子どもがミスに気づかず話してきたとき、 「違うでしょ」と正すのではなく、 「それって相手はどう感じるかな?」「ちょっと一緒に考えてみようか」 と、“気づく力”を育てる関わりが効果的です。
⑤【親自身が整う】 → 深呼吸や“よかったことメモ”など、 親が心をゆるめる習慣があると、 子どもは自然と安心を感じ取ります。
◾️まとめ:
正すより、支える
今の子どもたちは、恐れでは動きません。 「安心の中で考える」ことが、行動や変化の第一歩です。
親として必要なのは、 「変えようとする力」より、「支える姿勢」。
そのためにも、まずは親自身が安心できる時間や方法を持つことが、 何よりの土台になります。
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